良い映画を褒める会since2005

他ブログで映画記事や音楽記事も書いておりました。評価基準は演出20点演技20点脚本20点音楽10点環境10点印象20点の合計100点です。

映画(サ行)

『ロスト・ワールド ジュラシック・パーク2』(1997)新鮮味は無くなったが、駄作ではない。

先月は『ジュラシック・ワールド』公開に備えて、三部作『ジュラシック・パーク』『ロスト・ワールド ジュラシック・パーク2』『ジュラシック・パーク3』のDVDを三日連続で再チェックしていました。すると気づいたのは三部作をごちゃごちゃに覚えていて、ま…

『勝利への脱出』(1980)サッカー映画と言えばこれでしょう!ペレ、ムーア、アルディレス!

先週はワールドカップアジア二次予選、ホームでの試合が行われていました。前半終了時で1対0で日本リードとなっていました。1対0?ホームで対カンボジアで?相手はオリンピック世代なのに?こんなんで最終予選で勝てるの?なんでいつまでも代表選でまった…

『ジュラシック・パーク』(1993)カラー登場以来、久しぶりに映画界で起こった技術革命。

映画界では幾度かの技術革新により、それまでの映画文法の常識が覆されていき、新たな才能と技術に順応していけた映画人たちが生き残り、新たな流れを作っていく。 短編でモノクロ、そしてサイレントだった当時の映画が編集や文法の構築により、長編が生まれ…

『ジュラシック・ワールド』(2015)久しぶりに映画館で観る特撮映画の王道展開。

近所の映画館へ観に行こうと思っていた『ジュラシック・ワールド』でしたが、夏休みのためか、すべて吹き替えのみという地獄の環境だったので、久しぶりに県内の東宝シネマズまで出向きました。 3D作品などでは目が疲れるからというよく分からない理由で吹き…

『スタローン…。』みんなロッキーとランボーが大好きだったはずだ…。おバカ映画バカ一代!

シルベスター・スタローン、アーノルド・シュワルツネッガー、そしてブルース・ウィリスが加われば、ハリウッド三大おバカ映画スターだと誰でも分かるでしょう(笑) ただしアーノルド・シュワルツェネッガーは彼らのカテゴリーに入れられることを嫌う傾向があ…

『砂の惑星/DUNE』(1984)公開当初、大失敗作として語られたデヴィッド・リンチ作品。

先日、チリが生んだ映画芸術の鬼才、アレハンドロ・ホドロフスキー版のドキュメンタリーを記事にした後、1985年3月の公開初日に映画館で観て以来、30年ぶりにデヴィッド・リンチ監督版『砂の惑星/DUNE』を自宅で見ました。 見終わって、まず思ったことは当時…

『宣戦布告』(2001)結局、戦いを止めるのはより強力な軍事力なのか?

最初に見たのはビデオが出てからですので、2002年くらいだったのだろうか。当時はこういった類の仮想敵国映画はこの国ではタブーだったのではないだろうか。 あちこちにCGのちゃちさなど低予算邦画の哀しさが出ていて、なんだか寒々しくなるシーンも多々あり…

『続編、さらに続編』映画業界に未来はあるのだろうか?観に行くけど(笑)

今年も半年が過ぎ、気がついてみるとまだ一回も映画館まで観に行っていません。なかなかこういうこともなくなっていた近年ですが、CMなどで気になっていた映画があっても、モチベーションが低いためか、すぐに忘れてしまいます。 そうしたなか、『アナと雪の…

『女子ーズ』(2014)桐谷美玲主演の脱力系戦隊モノ。外し方がイイ感じです。

仕事終わりで自宅に帰ると家人がテレビをつけています。たいていはバラエティ番組が流れていますが、こちらが見たいのはその日のニュースです。 リモコンを奪い、合わせるチャンネルは10チャンネル、これは関西では日本テレビ系列のチャンネルです。やってい…

『執事の眼』(1950)ホラーの老舗、ハマー・フィルム製作の異色南国風ラブコメ。

ハマー・フィルムという映画会社の名前を聞くと、ホラー映画ファンが思い出すのはクリストファー・リーやピーター・カッシングが出演していた血みどろ作品群でしょう。 しかしながら、それだけでは経営が成り立つわけはなく、実はあまり知られてはいませんが…

『スウィート・ムービー』(1974)タブーの連打にひたすら圧倒される怪作コメディ。

ドゥシャン・マカヴェイエフというユーゴスラビア出身の監督の名前をはじめて意識したのは『人間は鳥ではない』からで、そのあとに見たのは『保護なき純潔』と『スウィート・ムービー』の二本です。 『WR/オルガズムの神秘』及び『ゴリラは真昼、入浴す』は…

『続 猿の惑星』(1970)今見るとかなりスカスカだが、小学生が見たミュータントは恐かった!

なんといっても強烈なイメージを残したのは地下住人であるミュータントたちがミサのシーンで自分たちが神前でマスクの下に隠された、ケロイドで焼けただれた素顔をさらしていく場面。美しい讃美歌と醜悪な素顔、異様に光り輝くコバルト爆弾の三点セットの残…

『ザ・シャウト/さまよえる幻響』(1978)最先端だったドルビー・システムを取り入れた実験作。

今月末から、大阪九条シネ・ヌーヴォで集中上映されるイエジー・スコリモフスキー特集に合わせて、過去作品の復習をしておこうと『早春』『出発』『アンナと過ごした四日間』『シャウト』『エッセンシャル・キリング』を見ています。 とりわけ『ザ・シャウト…

『早春』(1970)輸入版DVDはやっと発売されましたが、字幕版で見たい傑作青春トラウマ映画。

九条シネ・ヌーヴォで来月後半に集中上映されるのはイエジー・スコリモフスキー監督作品群です。公式サイトにはまだどの作品を上映するのかの詳細は記載されていませんでした。 先週、セルゲイ・パラジャーノフ特集で劇場を訪れた折にスタッフの方とお話しす…

『ざくろの色』(1971)パラジャーノフのたどり着いた映像美の極致。ほぼ台詞なしで魅せる。

劇場の大きなスクリーンで観ると赤と黒の鮮やかさ、くすんだ青と壁の色の豊かさがよくわかる。一回目は寝てしまうだろう。二回目は眠たくなるだろう。三回目は耐えられるだろう。四回目は計算された美しさに気づくだろう。そしてようやく五回目に意味を考え…

『そして父になる』(2013)家族の繋がりは血の繋がりを超えられるのか。重いテーマです。

公開当時、話題になっていた福山雅治主演の『そして父になる』を観に行く機会を逃し、レンタルDVDがTSUTAYAさんに並んだ頃にようやく見ることができました。 ずっと気にはなっていたのですが、間が悪く用事が重なっての自宅鑑賞です。仲の良い女友達がいて、…

『獣人雪男(アメリカ公開版)』(1958)“HALF HUMAN”というタイトルで公開されていました

円谷プロが『ゴジラの逆襲』のあとに製作した『獣人雪男』はわが国では現在でもソフト化はされておらず、10年以上前にはグリフィン絡みのビデオが出回って、マニアの間では話題になっていましたが、じつは『怪獣王ゴジラ』と同じく、アメリカ公開版の『HALF …

『シャイン・ア・ライト』(2008)ストーンズの円熟したライヴ。ロックなお爺ちゃんは今も元気!

ローリング・ストーンズのライヴ映画でまだ書いていなかったのが比較的最近の彼らを扱った『シャイン・ア・ライト』でした。 2008年製作ですので、ミックもキースもすっかりオジイちゃんになり、ビル・ワイマンがいなくなってからでも十年以上も経っています…

『センチネル』(1977)70年代にフリークス大挙出演シーンをクライマックスに持ってくるとは…

“センチネル”と検索すると、Amazonやヤフオクで大量にヒットするのは『ザ・センチネル』という2006年公開の作品ばかりです。オリジナル・タイトルが「THE SENTINEL」なのでかなり紛らわしいが、ぼくが探していたのは1977年製作のホラー映画です。意味は地獄…

『殺人ブルドーザー』(1974)これはSFと言っても良いのだろうか?ドリフみたいな…。

昭和50年代、テレビ局は朝6時から深夜1時位までの放送枠を埋めるため、多くのバラエティ番組、ドラマ、スポーツ中継や映画を必要としました。 すべてに初回放送番組を組むことは出来ず、結果として再放送番組、アメリカのテレビドラマ、映画、お茶の間ショッ…

『正午から3時まで』(1976)ブサイク代表ブロンソンが長身の美男子に変身?

チャールズ・ブロンソンが妻で女優のジル・アイアランドと共演した西部劇に『正午から3時まで』という作品があります。2004年に日本語版DVDが発売されていましたが、残念ながら現在は廃盤扱いになっています。 日本語版は中古でもかなり高額ですが、北米盤リ…

『白い恐怖』(1973)閉鎖空間でのサル・ヒト・チンパンジーの運命はどうなるのか?

テレビ放送時のタイトルは『恐怖の酷寒地獄・雪山宇宙研究所の謎』という水曜スペシャルに出てくる川口探検隊がノリでつけたような酷いタイトルでしたが、別題『白い恐怖』を覚えていました。 Googleで『白い恐怖』を検索するとアルフレッド・ヒッチコック監…

『ゼロ・グラビティ』(2013)タイトルは無重力ですが、本当に訴えたいのは重力のありがたみ。

映画館では上映前に話題作の予告編やCM、そして映画泥棒の新ヴァージョンが流れているのが通常ですが、宣伝シーンのみしか見どころがないモノも含まれていることがある。 そんななか、予告編が流れている時点から気になっていた作品に今回観た『ゼロ・グラビ…

『最後の脱出』(1970)近未来のロンドンが無法地帯に!コーネル・ワイルドの異色SF。

『最後の脱出』は大昔にテレビ放送で一度見たきりになっていた近未来SF映画で今でも強く印象に残っています。 深く記憶に刻まれている理由としては以下のようなことが思い浮かんできます。それはストーリー展開の深刻さとオープニングで流れる主題歌があまり…

『セデック・バレ』(2011)2部合計で上映時間260分の超大作。眼を背けずに観るべきだが長すぎ!

大阪九条にあるアート系映画館のシネ・ヌーヴォに久しぶりに出向きました。数年ぶりでしょうか。ぼくの住んでいる町の駅から九条まで直通で鉄道が走るようになったので乗り換えなしで一本で行けるのがかなり嬉しい。 乗っている時間も40分ですのでまあまあ快…

『進撃の巨人』映画化希望!実写で監督がピーター・ジャクソンならいいのになあ…(笑)

夏休みやお正月期間などに映画化されれば、おそらく最大の話題作となりそうな原作漫画に『進撃の巨人』があります。コミックスが現在10巻まで(8月はじめに11巻が発売予定。)出版され、その販売累計が1200万部以上を突破している超人気作品です。 この春か…

『青春グラフィティ スニーカーぶるーす』(1981)小学生当時、女の子はみんなたのきんファンだった!

ぼくらが小中学生だったころまでは春夏冬の長期休み期間中には必ずと言っていいほど、そのときどきに旬だった大人気アイドル主演映画が何本も公開されていました。 ぼくらより前の世代ならば、タイガースやスパイダースやジャガーズなんかの主演作品でしょう…

『ザ・ビートルズ1976 ダコタ・ハウスにて』(2000)現在は視聴困難でヤフオクで21000円?

最初にこれを見たのはたしか10年位前のWOWOWでの放送だったと記憶しています。そのときはたまたま放送していたのを見ただけでしたので録画しているはずもなく、普通にそのプログラムを見ていました。 フィル・スペクターやメイ・パンに振り回されていた『ウ…

『ステレオ 均衡の遺失』(1969)学生時代に制作されたクローネンバーグの個性溢れる初期作品。

新作『コズモポリス』の公開に合わせたのかどうかは分かりませんが、デヴィッド・クローネンバーグ監督の過去作品『シーバース』『ラビッド』がツイン・パックとなって、DVDが再リリースされています。 ヤフオクでは一時期、古びたビデオ・テープでさえも高…

『ザ・チャイルド』(1976)これこそがトラウマ映画と呼ぶべき一本!

副題は“フー・キャン・キル・ザ・チャイルド?”、つまり誰が子どもを殺せるのか?という意味深なタイトルが付けられているスペイン発のホラー映画です。それほど有名ではないでしょうが、大昔に見たときにはアメリカのホラー映画にはないエグさに驚きました…