良い映画を褒める会since2005

他ブログで映画記事や音楽記事も書いておりました。評価基準は演出20点演技20点脚本20点音楽10点環境10点印象20点の合計100点です。

特撮映画

『タイタンの戦い』(2010)特撮は劇場に限りますが…。DVDだと伝わらない。劇場でも伝わらない?

つい先日、隣町まで見に行った『アリス・イン・ワンダーランド』に続き、むしょうに映画が観たくなり、夜7時からの回のチケットを早めに購入し、先に食事を済ませることにして、レストランに向かいました。 サラダ・バイキングのあるハンバーグ専門店でした…

『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』(1956)SFノワール!影の使い方が美しい!

『盗まれた街』を原作に持つ、『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』はドン・シーゲル監督初期の異色の作品であり、1950年代のSF映画の代表作品の一つでもある。このオリジナル版がSFファンの心をがっちりと掴んだためか、何度もリメイクをされ、70年代のカウフ…

『第9地区』(2009)猫缶に海老まっしぐら!しばらく何を観たのか整理するのに時間が掛かりました…

会社が終わってから、雨が降りしきる中、ダッシュで電車に乗り、隣の市の映画館まで観に行ったのがピーター・ジャクソンがプロデューサーを務めた『第9地区』だった。特殊効果も一連のピーター・ジャクソン監督作品で有名になったWETAが入っているので、だい…

『アバター』(2009)映画の可能性が近づいてきた。それは良いことか、それとも…。

映画は虚構を前提とした娯楽であり、芸術である。実物はそこに無く、映し出されるすべての対象は上映されるたびに、同じ動きを繰り返す。奥行きを感じさせるが、すべては平面でしかない。映画の表現は左右という水平方向、そして奥行きという後ろの方向への…

『2012』(2009)エメリッヒ的な大きな映画だが…。地獄の沙汰も金次第という胸糞悪い映画。

ローランド・エメリッヒ監督の作品で、多くの映画ファンがすぐに思い出すのは『デイ・アフター・トゥモロー』だろうか。彼の仕事の印象としては大きい映画を任される人物であるという程度です。 去年の年末からお正月にかけて、話題になっていた映画でしたが…

『長髪大怪獣ゲハラ』(2009)NHKの番組企画で実現した、奇跡のおばか特撮映画!これは踏み絵だ!

テリー伊藤が総合司会を務める、NHKの深夜番組『テレ遊び パフォー!』のなかで、マニアックな視点と趣味を持ち、さまざまなジャンルの著書で知られる、みうらじゅんが音頭を取って出来た企画に、オリジナルの怪獣映画を作るというものがありました。 そ…

『ハリー・ポッターと謎のプリンス』(2009)半純血って、いったい?すべてが中途半端に…

7月14日に待望の劇場公開が始まった『ハリー・ポッター』の第六弾となる最新作『ハリー・ポッターと謎のプリンス』を観てきました。大量のCMを投入して、万全の集客態勢を取っていたはずですが、蓋を開けてみると、まさかの不入りに驚きました。 まあ、ゆ…

『古城の妖鬼』(1935)トッド・ブラウニング監督、ベラ・ルゴシ出演。吸血鬼再臨?

アメリカのホラー映画、とりわけユニヴァーサル映画が生み出した三大スター俳優と言えば、通常は『フランケンシュタイン』の怪物を演じたボリス・カーロフ、『狼男』を演じたロン・チェイニーJR、そして吸血鬼俳優であるベラ・ルゴシを指します。 ベラ・ルゴ…

『宇宙水爆戦』(1955)誰もが一度は見たことがある有名キャラクター登場!SFの誉れ!

おそらくSF映画ファンでなくとも、ほとんどのかたが一度は見たこと、もしくは塩ビ人形で遊んだことがあるかもしれない超有名なキャラクター、それがこの映画『宇宙水爆戦』に登場する、メタルナ・ミュータントではないでしょうか。スピルバーグ監督が愛し…

『吸血の群れ』(1972)70年代にはいろいろな動物モノのパニック映画がありました。

1970年代にはなぜかパニック映画が流行り、文明が崩れ落ちる類のパニック映画、たとえば『ポセイドン・アドヴェンチャー』『エアポート’75』などの巨大交通機関が制御不能になったときに「さあ!あなたならどうする?」的な映画が大ヒットしました。 …

『ゴジラ』(1984) 新たに始まるゴジラの歴史。真面目に作られています。なにか不満でも!?

おそらく、ゴジラへの思い入れが強い人ほど、『ゴジラ』(1954)から『怪獣大戦争』くらいまでのゴジラ・シリーズこそがリアル・ゴジラだと言い張るのでしょう。またはヘドラの残像が残っている人はこれこそがオリジナル以来では準優勝的な最高傑作と信…

『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国』(2008)パロディ満載!アクション控えめ!十分…

待望の、というにはあまりにも長い歳月が過ぎました。髪の色は白くなり、薄くなり(ウィリスよりはましか…)、お腹には貫禄がつき、筋力は衰えてしまう。しかしドタバタ動き回っていたインディも楽しかったが、66歳を越えてなお、アクション・シーンに果敢…

『狂鬼人間』<パート2>『怪奇大作戦』のテーマには合致している。時代が許さないのか…。

タブーの概念は時代ごとに変わるので、大丈夫になる時代がまた来るかもしれません。絶対的な価値観などそもそも存在しないわけですから、気長に待っていれば、普通に見れるときがまたくるでしょう。そうすると現在ある意味、神聖化されている第24話もただ…

『狂鬼人間』<パート1>禁断の、そして抹殺された第24話。あの時代だから出来たのか?

1968年に、円谷プロ制作の特撮作品シリーズとして今も評価が高い『ウルトラセブン』が放映終了後に、TBSタケダ・アワー(このために、夜のドライブで終わる放送回でのラストシーンでは「武田 アリナミンA」の電飾看板が大映しになる!)の後釜番組と…

『獣人雪男』(1955)差別表現?のため封印されている『ゴジラの逆襲』後の東宝特撮映画。

東宝映画が『ゴジラ』と『七人の侍』で大当たりを取った1954年の翌年である1955年に『ゴジラの逆襲』のあとに製作されたのが今回紹介する『獣人雪男』です。しかしこの作品を今ビデオやDVDで正規で見るのは不可能です。何故ならソフト化されてい…

『ウルトラ6兄弟対怪獣軍団』(1974)出来れば、ずっと幻でいて欲しい怪作…。

制作は1974年で公開は1975年となる、この作品はおそらく今後、円谷プロ正規ルートでの販売経路を通して、日本の特撮映画ファンの手に入ることはないだろう。1970年代に円谷プロが交わした、ひとりのタイ人、ソムポート・セーンドゥアンチャーイ…

『地球防衛軍』(1957)地味な印象を与えますが、特撮映画史上ではとても重要な作品です。

2008年も明け、21世紀が始まり、すでに早くも10年近く経った現在、何の予備知識もなく、そして製作順など歴史を考えずに観ていくと、この『地球防衛軍』はずいぶんと地味な印象を与えてしまうかもしれません。 しかし『地球防衛軍』は東宝特撮映画史…

『メトロポリス』(1984)サイレントの名作に80年代ポップナンバーを結びつけると…。

総合評価72点 現在は入手不可能になっている『メトロポリス』(1984)サウンド版はIVSのサイレント版では収録されていなかったオリンピック・シーンなどが挿入されていたり、ヨシワラ・クラブのスチールなどを挿入するなどしていて、元のイメージに…

『メトロポリス』(1926)<第二部>デカダンス、混迷、不信…。ドイツの世相が凝縮されている。

このSF映画の傑作『メトロポリス』で、もっとも重要な俳優である主演女優、ブリギッテ・ヘルムが一人二役で表現したのは対照的なマリアとアンドロイドではある。ヴィジュアルとしては二つの役は別物ではあるが、暗喩としては『ジギル博士とハイド氏』のよ…

『遊星より愛をこめて』ウルトラセヴン12話。闇に葬ろうとしても、ぼくはスペル星人を忘れない。

映画に関する記事のみを掲載してまいりましたが、今回はTV番組についてはじめて書くことになりました。特撮映画ではお馴染みの円谷プロ作品であり、その後の特撮作品のみならず、SFとしても非常に優れた作品を輩出したウルトラセヴンについて書くことは…

『ノストラダムスの大予言』(1974)<パート1>映画界において、言論の自由は無に等しい。

この幻の作品『ノストラダムスの大予言』を僕がTVで見たのは小学生の時で、多分1978年か1979年だったと記憶しています。女の人の暗い声でのナレーション(実は岸田今日子!)があり、「1999年七の月に、空の魔王が降りてくる!」だったかな?…

『メトロポリス』(1926)<第1部> SF映画の金字塔にして、映画芸術の真価が分かる傑作。

総合評価 98点 メトロポリスという言葉の響き自体がすでになんとも興味をそそるではありませんか。しかもフリッツ・ラング監督によって、この作品が製作されたのは1926年ですから、いまから80年以上前の作品ということになります。 では、そんなもの…

『宇宙戦争』(2005)まさか同じオチを21世紀に持ってくるとは!古典落語かい!

素晴らしいファーストシーンとずっこけるエンディング!大量にばら撒かれたCMなどのキャンペーンだけを鵜呑みにして、そのままの勢いで映画館で観たならば、おそらく椅子からずり落ちそうになったであろう作品でしょう。その反応は正解です。 だって、これ…

『猿の惑星』(1968)最高の脚本とラストシーンの演出!いまさら語るのもなんなんで…

おそらく映画ファンを名乗る人々ならば、必ずや観ているであろう古典中の古典ともいえる本作品について、いまさらあれこれ言うのも野暮でありましょうから、作品が問いかけているとされる意味や隠喩のことは敢えて何も触れません。 フランクリン・J・シャフ…

『カリガリ博士』(1919)ホラー映画の起源的作品にして、ドイツ表現主義のエッセンス。

もともとはドイツの巨匠、フリッツ・ラング監督で撮影が行われる予定だったのが、『カリガリ博士』という風変わりなタイトルを持つこの作品です。事情はよくは分かりませんが、最終的にこの作品を任されたのはロベルト・ウィーネ監督でした。 ただしこの作品…

『吸血鬼(ヴァンパイア)』(1932)映画の本質と光と影の使い方を熟知していた名匠ドライアー。

いまでは知る人も少なくなってしまっているのは残念ではありますが、デンマーク出身の名匠、カール・ドライアー監督の1932年の作品で、クロース・アップの多用で有名な『裁かるゝジャンヌ』と並ぶ彼の代表作品のひとつがこの『吸血鬼(ヴァンパイア)』…

ガメラ対ゴジラ?みんなが観たかった夢の対決だが中継なし…。『大怪獣 東京に現わる』(1998)

つい先日発表した空想世界長編『ガメラ対ゴジラ 地球破壊計画』のあとに更新する怪獣映画としての作品はどんなものを採りあげるべきか迷っていました。GXGとは全く違う作品群から仕切りなおすか、さらに濃い作品を採りあげていくか。結論はさらに濃いマニ…

『フィラデルフィア・エクスペリメント』(1984)『ファイナルカウントダウン』とごっちゃになってます

ジョン・カーペンター製作総指揮で1984年に発表されたSF映画です。しかし、どうも1980年公開の『ファイナルカウントダウン』とゴチャゴチャになって覚えてしまっているのがこの『フィラデルフィア・エクスペリメント』なのです。 なんせ設定があま…

『ガメラ対ゴジラ』(200Ⅹ)第四部 地球最大の作戦

<第四部 地球最大の作戦> もうすぐ太陽が沈み始める。時間は3時半過ぎである。すべての兵力を集中させて待ち望む防衛軍。強い日差しが各隊員と車両に降り注ぐ。残りのメーサー砲は10門もない。通常兵器が大半を占めるこの兵力でキングギドラを押さえ込…

『ガメラ対ゴジラ』(200Ⅹ)第三部 地球降伏命令

<第三部>地球降伏命令 <地下にある極秘プロジェクトチームのある一室。> オダギリが妙な機械を持ってきている。訝しげにそれを見つめる三人。「なんだい、これ?」と聞く岡田。「Gコントロール・システムさ!」と自慢げに話すオダギリ。彼は説明を始め…